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成年後見 18 任意後見③

任意後見の3タイプ(即効型、将来型、移行型)手続の中で、最も実用的であると思われる、「移行型」について説明します。

移行型では、「任意代理契約」と、「任意後見契約」を同時に結びます。

「任意代理契約」とは、任意後見による支援がまだ必要ではない状態、つまり判断能力がある状態で、財産管理等の事務を代理人に委任するものです。

判断能力はあるが、病気や障害、老衰等で体が思うように動かず、預貯金の引き出しや費用の支払い等を誰かに頼みたい、という状況をサポートできる契約で、任意後見制度に基づかない通常の委任契約です。

なので必ず公正証書で締結しなければならないものではないのですが、次に述べる「任意後見契約」と同時に公正証書で結んでおくことにより、将来判断能力が衰えたときに任意後見によるサポートへスムーズに移行できます。

「任意後見契約」は、任意後見制度に基づき、本人の判断能力が不十分になってきたとき、任意後見人に財産管理等の事務を委任するものです。

上記の「任意代理契約」と「任意後見契約」に関しては、いずれも、契約を結ぶ際、本人が支援者(受任者)に委任したい事務の内容(例・不動産の管理や処分、金融機関との取引等)を決めておきます。

受任者は上記の決められた事務の範囲で委任者(本人)を代理します。ただし、同意権や取消権は行使できません。

次回もこのつづきを少し。

つづく(今)

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成年後見 17 任意後見②

任意後見に関する契約は、前回述べたとおり、公正証書にて締結しなければなりません。

「公正証書」とは、過去に当ブログでも、遺言などの回で説明していますが、公証人の関与により作成される文書のことです。

公正証書による任意後見契約は次の3つの種類に分かれます。

1.即効型
2.移行型
3.将来型

1の「即効型」は、今現在すでに判断能力が低下している人が、今すぐ任意後見人との契約を結ぶものです。
しかし、本人の判断能力がすでに低下している場合は、家庭裁判所の審判による「法定後見」の方が適切と考えられるため、この「即効型」はあまり一般的ではないと言えます。

2を飛ばして3の「将来型」。
これは本来の任意後見制度の趣旨どおり、現在判断能力のある人が将来判断能力が低下したときに備えて、支援を頼みたい人(任意後見受任者)と任意後見契約を結んでおくものです。

そして、2の「移行型」。
これは3「将来型」と同じく、現在判断能力のある人が将来のために任意後見受任者と契約を結ぶのですが、任意後見契約と同時に、「任意代理契約」というものを結んでおくものです。
この「移行型」が最も良く利用されているようです。
次回はこの「移行型」についてもう少し詳しく説明します。

つづく(今)

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成年後見 16 任意後見①

「補助」については、簡単でしたが、前回の説明をもって終わりにしたいと思います。

「後見」「保佐」「補助」の説明が終わったことにより、「法定後見」の説明がひととおり全部終了しましたので、今回から「任意後見」の解説に入りたいと思います。

前回までの「法定後見」が、家庭裁判所の審判によって始まるものであるのに対し、「任意後見」は、当事者同士の「契約」によって始まります。

法定後見と違うのは、任意後見の場合、本人の判断能力があるうちに、将来、判断能力が減退したときに備えて、前もって手続(契約)をしておく点です。

判断能力が減退した本人のために代理人として財産管理や療養看護等の支援を行う人を「任意後見人」といいます。

ただし、本人の判断能力があるうち(つまり契約した段階)は「任意後見受任者」と呼び、本人の判断能力が低下したとき、「任意後見受任者」は「任意後見人」となります(くわしいことは後日説明します)。

任意後見人(任意後見受任者)は、本人が自ら選びます。信頼できる身内の人を選んでも構いませんし、司法書士、弁護士、行政書士等の法律職の人を選ぶこともできます。

そしてこの本人と任意後見受任者との契約は、必ず「公正証書」で結ばなければなりません。

つづく(今

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成年後見 15 補助②

前回書いたとおり、「補助」の制度には、過去に解説した後見や保佐の制度と共通する部分が多いのですが、違うところは、主に補助人の権限に関する部分と思います。

被補助人の行為で、補助人の同意が必要な行為、また補助人が取消権を持つ行為は、民法13条1項の行為に限られます。

具体的には、以下の行為で、以下の中から、申し立ての範囲内で家庭裁判所の審判により補助人の同意が必要な行為、補助人が取消可能な行為が定められます。

一  元本を領収し、又は利用すること。
二  借財又は保証をすること。
三  不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四  訴訟行為をすること。
五  贈与、和解又は仲裁合意をすること。
六  相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七  贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八  新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九  第六百二条に定める期間を超える賃貸借(※)をすること。
 ※・・・いわゆる短期の賃貸借
  一  樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃貸借 十年
  二  前号に掲げる賃貸借以外の土地の賃貸借 五年
  三  建物の賃貸借 三年
  四  動産の賃貸借 六箇月

「保佐」の場合、上記以外にも拡張することができましたが、「補助」の場合には、上記(民法13条1項)の範囲内に限定されます。

また、補助人に与えられる代理権の範囲は、「保佐」の場合と同様、申し立てにより家庭裁判所の審判で定められた「特定の法律行為」に限られます。

つづく(今)

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成年後見 14 補助①

いつも金曜日にupしているのですが、昨日初めてupし忘れました。

ポニョ見てました・・・( ´△`)

えさて、今日から、法定後見3類型の最後の一つ、「補助」について書いていきます。

補助は、平成12年に民法が改正された際に、新しくできた制度です。

改正前に禁治産と呼ばれていたものが後見の制度に、準禁治産と呼ばれていたものが保佐の制度に移行したわけですが、それに加えて、より軽度の精神上の障害を負っている人を保護するために新設されたのが「補助」の制度です。

補助の対象となるのは「事理弁識能力(判断能力)が不十分な者」とされ、前回まで解説していた「保佐」の「事理弁識能力(判断能力)が著しく不十分な者」よりも、症状の軽い方を対象としています。

よって、法定後見の3類型(後見、保佐、補助)の中で、補助は最も軽い症状(軽度の認知症など)の方を対象とした制度ということになります。

支援を受ける本人を「被補助人」、支援する人を「補助人」と呼びます。

制度の主立った部分は、後見や保佐と大体似通っていますので説明は省略し、違う部分を次回から説明していきたいと思います。

つづく(今)

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成年後見 13 保佐⑤

以前説明していた「後見人」は、被後見人の法律行為に関して、「代理権」を持ちました。

保佐人も、被保佐人の法律行為について代理権を持ちますが、後見人のように広範囲(財産に関するほぼ全ての法律行為)に渡るものではなく、申し立てにより家庭裁判所の審判で定められた「特定の法律行為」に限られます。

保佐人に代理権を与える審判を申し立てることができるのは、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人、検察官、保佐人、保佐監督人 です。

ただし、上記のうち本人以外の者の申し立てによって代理権付与の審判をする場合は、本人の同意が無ければなりません。
保佐の対象となる本人(被保佐人)は判断能力が完全に失われている訳ではないので、本人の自己決定権を尊重するためです。

上記の代理権付与の審判は、申し立てによって取り消すこともできます。

その他、保佐人が被保佐人のために行う事務については、以前書いた後見人の場合とほぼ同じですので、「成年後見6 後見④」~「成年後見8 後見⑥」を参照してください。

次回からは、法定後見3類型の最後「補助」について書いていきたいと思います。

つづく(今)

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成年後見 12 保佐④

前回、被保佐人の行為に関して保佐人が同意権・取消権を持つ場合を書きました(ほとんど条文のままでしたが(汗))。

で、保佐人の同意が必要な行為(前回参照)について、本人(被保佐人)の利益を害するおそれが無いにも関わらず保佐人が同意しない場合。

被保佐人は家庭裁判所に、「保佐人の同意に代わる「許可」」を請求することができます。

逆に、保佐人の同意が必要な行為を、同意又は同意に代わる家裁の許可を得ずに行った場合には、これを取り消すことができます。

今回は短かったですが(汗)、次回は保佐人の「代理権」について書きたいと思います。

つづく(今)

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成年後見 11 保佐③

保佐人は、被保佐人の行為のうち、民法13条1項に定める重要な行為について、同意権、取消権を持ちます。

民法13条1項に定められている行為は以下です。
一  元本を領収し、又は利用すること。
二  借財又は保証をすること。
三  不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四  訴訟行為をすること。
五  贈与、和解又は仲裁合意をすること。
六  相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七  贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八  新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九  第六百二条に定める期間を超える賃貸借(※)をすること。
 ※・・・いわゆる短期の賃貸借
  一  樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃貸借 十年
  二  前号に掲げる賃貸借以外の土地の賃貸借 五年
  三  建物の賃貸借 三年
  四  動産の賃貸借 六箇月

必要があれば、家裁の審判により保佐人の同意が必要な行為を上記以外にも拡張できますが、日常生活に関することは除かれます。

つづく(今)

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成年後見 10 保佐②

「保佐」の2回目です。

申立により家庭裁判所が「保佐開始の審判」をすると、同時に職権で「保佐人」を選任します。

保佐人も、後見人と同じく1人だけである必要はなく、複数選任されることもあります。

正当な事由があれば家庭裁判所の許可を得て辞任することも出来ます。

辞任した保佐人は、後任の保佐人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません(後見の時書き忘れてましたが、後見の場合も同様です)。

もちろん、不正行為等がを行えば関係者からの申し立てや家庭裁判所の職権などにより解任されることもあります。

また、以下の要件に当てはまる人は保佐人にはなれません。
・  未成年者
・  家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、後見人又は補助人
・  破産者
・  被保佐人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族
・  行方の知れない者

保佐人の事務を監督したり、保佐人が欠けたり急迫の事情があるときに必要な処置をしたりするために、家庭裁判所により「保佐監督人」が選任されることもあります。

保佐人と被保佐人の利害が対立する(利益相反といいます)場合、保佐人は家庭裁判所に「臨時保佐人」の選任を請求しなければなりません。
ただし前記の「保佐監督人」が選任されている場合は除きます。

つづく(今)

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成年後見 9 保佐①

さて、今回から、法定後見の3類型の一つ、「保佐」についての解説です。

前回まで解説していた「後見」は、判断能力が常に欠けている状態の方を対象にした制度でした。

で、「保佐」というのは、「判断能力が著しく不十分な方」を支援する制度であり、「後見」に該当する人よりは軽度の症状の方を対象とした制度になります。

イメージ的には、日用品等の買い物は出来るが、不動産の取引(売買、賃貸借等)や自動車の購入、金銭の貸借などは1人では出来ないような状態の方が対象になります。

保佐も、後見と同じく、家庭裁判所に申し立てをして、「保佐開始の審判」がなされることによって開始します。

申し立てが出来る人は、

・本人 ・配偶者 ・4親等内の親族 ・後見人 ・後見監督人 ・補助人 ・補助監督人 ・検察官 で、
また、必要に応じ市町村長にも申立の請求権がみとめられるのも後見の場合と同様です。

保佐開始の審判により本人を支援する者として選任された人を「保佐人」と呼び、その本人を「被保佐人」と呼びます。

つづく(今)

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