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成年後見 20 成年後見登記

任意後見については、前回で大体のことは説明しましたので、今回は「成年後見登記」のことを説明しておきたいと思います。

これまで説明してきた法定後見(後見、保佐、補助)の審判がなされたり、任意後見契約が締結されたりしたときに、家庭裁判所(法定後見)または公証人(任意後見)からの嘱託により、「登記」がされます。

東京法務局で全国の成年後見登記を取り扱っています。

登記される内容は、成年被後見人、成年後見人等の住所・氏名、成年後見人等の権限の範囲、任意後見契約の内容などです。

登記されている本人や後見人、保佐人、補助人などは、登記内容に変更(住所変更など)があったときは「変更の登記」を、本人の死亡などにより後見事務が終了したときは「終了の登記」を申請する必要があります。

登記された内容は、本人や後見人等、また本人の親族や代理人等からの交付請求により、「登記事項証明書」として交付されます。交付請求は各地方の法務局戸籍課で受け付けています。後見人等になっている人は、上記の登記事項証明書によって自分の代理権などを取引の相手方等に対して証明できます。

また、成年後見に関しては「登記されていないことの証明書」の交付を受けることも出来ます。これは免許や資格、許認可などの申請の際必要とされることがあります。

成年後見に関するおはなし これにて一応(?)終了。

(今)

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成年後見 19 任意後見④

「移行型」の任意後見契約を結ぶと、本人(委任者)を支援する人(任意後見受任者)は、まず「任意代理契約」に基づき、その必要が生じたときに、契約で定められた内容の法律行為(例・不動産の管理や処分、金融機関との取引、医療や介護に関する契約等)を本人に代わって行います。

この時点では、本人の判断能力がありますので、任意後見受任者は、通常の委任契約に基づく代理人として、本人の監督の下に事務を行います。

そして、本人の判断能力が衰えてきた場合、任意後見受任者や本人、本人の親族等が家庭裁判所に「任意後見監督人」の選任申立をします。

この「任意後見監督人」が選任されたとき、「任意後見受任者」は「任意後見人」となり、任意後見契約が発効します。同時に上記の「任意代理契約」は終了します。

任意後見人も、契約で定められた法律行為を代理して行うわけですが、上記の任意後見監督人の監督を受けることになります。

具体的には、一定期間毎に任意後見監督人に後見事務の状況を報告したり、それ以外にも、任意後見監督人から請求があればいつでもすみやかに報告しなければなりません。

任意後見人(または任意後見受任者)の報酬に関しては、本人の親族等が受任する場合は、無報酬の場合もあるかと思いますが、弁護士、司法書士等の第三者に依頼する場合は、月3~5万円くらいの報酬が必要になるようです。

これらの報酬や事務に必要な実費は、任意後見人(または任意後見受任者)が管理する本人の財産から支出する事ができるとされています。

つづく(今)

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成年後見 18 任意後見③

任意後見の3タイプ(即効型、将来型、移行型)手続の中で、最も実用的であると思われる、「移行型」について説明します。

移行型では、「任意代理契約」と、「任意後見契約」を同時に結びます。

「任意代理契約」とは、任意後見による支援がまだ必要ではない状態、つまり判断能力がある状態で、財産管理等の事務を代理人に委任するものです。

判断能力はあるが、病気や障害、老衰等で体が思うように動かず、預貯金の引き出しや費用の支払い等を誰かに頼みたい、という状況をサポートできる契約で、任意後見制度に基づかない通常の委任契約です。

なので必ず公正証書で締結しなければならないものではないのですが、次に述べる「任意後見契約」と同時に公正証書で結んでおくことにより、将来判断能力が衰えたときに任意後見によるサポートへスムーズに移行できます。

「任意後見契約」は、任意後見制度に基づき、本人の判断能力が不十分になってきたとき、任意後見人に財産管理等の事務を委任するものです。

上記の「任意代理契約」と「任意後見契約」に関しては、いずれも、契約を結ぶ際、本人が支援者(受任者)に委任したい事務の内容(例・不動産の管理や処分、金融機関との取引等)を決めておきます。

受任者は上記の決められた事務の範囲で委任者(本人)を代理します。ただし、同意権や取消権は行使できません。

次回もこのつづきを少し。

つづく(今)

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成年後見 17 任意後見②

任意後見に関する契約は、前回述べたとおり、公正証書にて締結しなければなりません。

「公正証書」とは、過去に当ブログでも、遺言などの回で説明していますが、公証人の関与により作成される文書のことです。

公正証書による任意後見契約は次の3つの種類に分かれます。

1.即効型
2.移行型
3.将来型

1の「即効型」は、今現在すでに判断能力が低下している人が、今すぐ任意後見人との契約を結ぶものです。
しかし、本人の判断能力がすでに低下している場合は、家庭裁判所の審判による「法定後見」の方が適切と考えられるため、この「即効型」はあまり一般的ではないと言えます。

2を飛ばして3の「将来型」。
これは本来の任意後見制度の趣旨どおり、現在判断能力のある人が将来判断能力が低下したときに備えて、支援を頼みたい人(任意後見受任者)と任意後見契約を結んでおくものです。

そして、2の「移行型」。
これは3「将来型」と同じく、現在判断能力のある人が将来のために任意後見受任者と契約を結ぶのですが、任意後見契約と同時に、「任意代理契約」というものを結んでおくものです。
この「移行型」が最も良く利用されているようです。
次回はこの「移行型」についてもう少し詳しく説明します。

つづく(今)

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成年後見 16 任意後見①

「補助」については、簡単でしたが、前回の説明をもって終わりにしたいと思います。

「後見」「保佐」「補助」の説明が終わったことにより、「法定後見」の説明がひととおり全部終了しましたので、今回から「任意後見」の解説に入りたいと思います。

前回までの「法定後見」が、家庭裁判所の審判によって始まるものであるのに対し、「任意後見」は、当事者同士の「契約」によって始まります。

法定後見と違うのは、任意後見の場合、本人の判断能力があるうちに、将来、判断能力が減退したときに備えて、前もって手続(契約)をしておく点です。

判断能力が減退した本人のために代理人として財産管理や療養看護等の支援を行う人を「任意後見人」といいます。

ただし、本人の判断能力があるうち(つまり契約した段階)は「任意後見受任者」と呼び、本人の判断能力が低下したとき、「任意後見受任者」は「任意後見人」となります(くわしいことは後日説明します)。

任意後見人(任意後見受任者)は、本人が自ら選びます。信頼できる身内の人を選んでも構いませんし、司法書士、弁護士、行政書士等の法律職の人を選ぶこともできます。

そしてこの本人と任意後見受任者との契約は、必ず「公正証書」で結ばなければなりません。

つづく(今

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成年後見 15 補助②

前回書いたとおり、「補助」の制度には、過去に解説した後見や保佐の制度と共通する部分が多いのですが、違うところは、主に補助人の権限に関する部分と思います。

被補助人の行為で、補助人の同意が必要な行為、また補助人が取消権を持つ行為は、民法13条1項の行為に限られます。

具体的には、以下の行為で、以下の中から、申し立ての範囲内で家庭裁判所の審判により補助人の同意が必要な行為、補助人が取消可能な行為が定められます。

一  元本を領収し、又は利用すること。
二  借財又は保証をすること。
三  不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四  訴訟行為をすること。
五  贈与、和解又は仲裁合意をすること。
六  相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七  贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八  新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九  第六百二条に定める期間を超える賃貸借(※)をすること。
 ※・・・いわゆる短期の賃貸借
  一  樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃貸借 十年
  二  前号に掲げる賃貸借以外の土地の賃貸借 五年
  三  建物の賃貸借 三年
  四  動産の賃貸借 六箇月

「保佐」の場合、上記以外にも拡張することができましたが、「補助」の場合には、上記(民法13条1項)の範囲内に限定されます。

また、補助人に与えられる代理権の範囲は、「保佐」の場合と同様、申し立てにより家庭裁判所の審判で定められた「特定の法律行為」に限られます。

つづく(今)

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成年後見 14 補助①

いつも金曜日にupしているのですが、昨日初めてupし忘れました。

ポニョ見てました・・・( ´△`)

えさて、今日から、法定後見3類型の最後の一つ、「補助」について書いていきます。

補助は、平成12年に民法が改正された際に、新しくできた制度です。

改正前に禁治産と呼ばれていたものが後見の制度に、準禁治産と呼ばれていたものが保佐の制度に移行したわけですが、それに加えて、より軽度の精神上の障害を負っている人を保護するために新設されたのが「補助」の制度です。

補助の対象となるのは「事理弁識能力(判断能力)が不十分な者」とされ、前回まで解説していた「保佐」の「事理弁識能力(判断能力)が著しく不十分な者」よりも、症状の軽い方を対象としています。

よって、法定後見の3類型(後見、保佐、補助)の中で、補助は最も軽い症状(軽度の認知症など)の方を対象とした制度ということになります。

支援を受ける本人を「被補助人」、支援する人を「補助人」と呼びます。

制度の主立った部分は、後見や保佐と大体似通っていますので説明は省略し、違う部分を次回から説明していきたいと思います。

つづく(今)

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成年後見 13 保佐⑤

以前説明していた「後見人」は、被後見人の法律行為に関して、「代理権」を持ちました。

保佐人も、被保佐人の法律行為について代理権を持ちますが、後見人のように広範囲(財産に関するほぼ全ての法律行為)に渡るものではなく、申し立てにより家庭裁判所の審判で定められた「特定の法律行為」に限られます。

保佐人に代理権を与える審判を申し立てることができるのは、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人、検察官、保佐人、保佐監督人 です。

ただし、上記のうち本人以外の者の申し立てによって代理権付与の審判をする場合は、本人の同意が無ければなりません。
保佐の対象となる本人(被保佐人)は判断能力が完全に失われている訳ではないので、本人の自己決定権を尊重するためです。

上記の代理権付与の審判は、申し立てによって取り消すこともできます。

その他、保佐人が被保佐人のために行う事務については、以前書いた後見人の場合とほぼ同じですので、「成年後見6 後見④」~「成年後見8 後見⑥」を参照してください。

次回からは、法定後見3類型の最後「補助」について書いていきたいと思います。

つづく(今)

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成年後見 12 保佐④

前回、被保佐人の行為に関して保佐人が同意権・取消権を持つ場合を書きました(ほとんど条文のままでしたが(汗))。

で、保佐人の同意が必要な行為(前回参照)について、本人(被保佐人)の利益を害するおそれが無いにも関わらず保佐人が同意しない場合。

被保佐人は家庭裁判所に、「保佐人の同意に代わる「許可」」を請求することができます。

逆に、保佐人の同意が必要な行為を、同意又は同意に代わる家裁の許可を得ずに行った場合には、これを取り消すことができます。

今回は短かったですが(汗)、次回は保佐人の「代理権」について書きたいと思います。

つづく(今)

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成年後見 11 保佐③

保佐人は、被保佐人の行為のうち、民法13条1項に定める重要な行為について、同意権、取消権を持ちます。

民法13条1項に定められている行為は以下です。
一  元本を領収し、又は利用すること。
二  借財又は保証をすること。
三  不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四  訴訟行為をすること。
五  贈与、和解又は仲裁合意をすること。
六  相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七  贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八  新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九  第六百二条に定める期間を超える賃貸借(※)をすること。
 ※・・・いわゆる短期の賃貸借
  一  樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃貸借 十年
  二  前号に掲げる賃貸借以外の土地の賃貸借 五年
  三  建物の賃貸借 三年
  四  動産の賃貸借 六箇月

必要があれば、家裁の審判により保佐人の同意が必要な行為を上記以外にも拡張できますが、日常生活に関することは除かれます。

つづく(今)

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